フォイルインポートのブログでは、失敗しないフォイルの選び方について解説する予定ですが、その前に!
これを知らずにフォイルは語れない!と言っても過言ではない、フロントウィングにアスペクト比について、まず先に徹底解説していきたいと思います。
最初にみなさんに抑えておいて欲しい点はこちらです。
・横に長いフロントウィングはアスペクト比が高い
アスペクト比が高いフロントウィングは少ない推進力で、より高い揚力を得る事が出来るので沈みにくく、フォイルサーフィンやウィングフォイルの際のパンピングが非常に楽です。 ただ、横に長いため、小回りが利かないというデメリットがあります。
・三角形に近い形のフロントウィングはアスペクト比が低い
アスペクト比が低いフロントウィングはスピードが出ますし、左右のカービングなどの操作性も向上します。 ただ、揚力が出しにくいため沈みやすいというデメリットがあります。
写真、左が高アスペクト比ウィング、右が低アスペクト比ウィング
では、アスペクト比とフォイルの関係について詳しく説明していきましょう。
アスペクト比は、なかなか聞き慣れない単語かもしれませんが、これは横の長さと縦の長さの比率を意味します。
英語では Aspect Ratio といいます。
映像業界では、アスペクト比はよく4:3や16:9といった整数比で表現される事が多いのですが、フロントウィングの場合は9.5や6.8といった数字で表現します。
さらに、フロントウィングは純粋な長方形ではないため、単純に 横の長さ ÷ 縦の長さ で計算するのではなく、フォイルのフロントウィングのアスペクト比は横の長さx横の長さ ÷ フロントウィングの面積で表します。
例えば、AXIS PNGシリーズの1150フロントウィングは横の長さが1150mmで、面積が1713平方センチメートルです。1150mmは115cmなので、115cm x 115cm ÷ 1713平方cm = 7.72がアスペクト比になります。
一方、AXIS SPシリーズの660フロントウィングは 横の長さが660mmで、面積が1034平方センチメートルです。660mmは66cmなので、66cm x 66cm ÷ 1034平方cm = 4.2がアスペクト比になります。
アスペクト比が4〜5ぐらいのフロントウィングはアスペクト比が低い分類になり、6〜7ぐらいは中間層、8〜11ぐらいのフロントウィングはアスペクト比が高い分類になるかと思います。
アスペクト比が高いフロントウィングと低いフロントウィングの特徴や違いを理解するためには、フォイルのフロントウィングを飛行機の翼に例えて説明するのが分かりやすいと思います。
鳥人間コンテストを思い出してみてください。 どの飛行機の翼も細くて横に長かったと思います。あのようなアスペクト比の高い翼の飛行機をグライダーと言って、少ない推進力で最大限の揚力を得られる構造になっています。
一方、戦闘機を想像してみてください。 航空自衛隊が所有するF-15など、翼は長方形よりも三角形に近く、アスペクト比が低い翼です。 これは推進力に対して揚力を得られる効率は高くないものの、翼が短いぶん空気抵抗が少なくスピードが出ますし、旋回能力も高い構造になっています。 逆に言えば、揚力を維持するためには、より多くの推進力が必要になり、充分な推進力がないと高度を維持する事が出来ません。
フロントウィングの構造も同じで、アスペクト比が高いほど少ない推進力でも揚力を得る事ができ、アスペクト比が低いほどスピードも出ますし旋回能力も上がりますが、より大きい推進力を必要とします。
次回のブログでは、「じゃあ、私はどんなフロントウィングを買ったらいいのか?」とお悩みのあなたに、失敗しないフォイルの選び方を解説したいと思います。